フランス旅行記 (2003年1月)



 1日目

03/01/02曇りパリ到着
画像 2003年1月、美術館めぐりを目的にフランス/パリへと出発。長年の夢であったルーブル美術館(+オルセー)をついに訪問出来るとあって、そりゃもう夢見ごこちで出発と相成りました。

さて、飛行機は当然エコノミー。前もって「成田から直行便で12時間。かなりツライ。」って聞いていましたが、機内ではサービスでワインやシャンパンが飲み放題って言うし、暇つぶしの本は持ったし、長距離初体験とはいえこれまさに万全という態勢で出発。
しかしですね、結果から書くともう最悪。いや、飲み物は良かったんですよ。シャンパン、赤ワイン、白ワイン、ブランデー、ソフトドリンク各種・・。機内食だって悪くない。サービスも丁寧だし。じゃあ何が悪かったんだ、と言えばそりゃもう12時間座りっぱなし(←当たり前)って事ですよ!冗談じゃない!2度と来るか!

その後意味のわからぬフランス語に苦戦しながらもなんとかホテルに到着。「フランスのホテルは狭い」と聞いていたので覚悟して行ったのですが、ココ(「メルキュール・ド・パリ・ガールドリヨン」っていうホテル)は部屋の広さもそれなりだし、なかなかこぎれいだったので私的には十分満足です。
しかし・・本当に疲れた・・。遠すぎるよフランス・・。




 2日目


今日はシティラマ社による「ランスとシャンパーニュ一日観光」に出かけてきました。
バスツアーで日本人ガイド付き、ランス大聖堂+シャンパン酒造2社見学、って内容です。
シャンパン酒造(っていうのか?)はパイパーエドシックとモエ・シャンドンに行ったのですが、それについてはこっちを見てもらうとして、まずランスのブラッスリーから。


03/01/03曇りブラッスリーMARTIN (ランス)
画像 お昼ご飯はランス市街で自由で取れって事だったのですが、適当に入った「MARTIN」ってブラッスリーが奇遇にもパイパーエドシックが経営する店でちょっとビックリ。
ま、それはともかく早速注文を・・と思ったのですが、当然のことながらメニューがフランス語なわけですね。もちろん何がなにやら全くわからない上に、根性で伝えた「英語メニューくれ!」にも「Non・・(ため息付)」という切ない返事。しかたなく再度メニューに目を落としてもやっぱり笑っちゃうくらい訳がわからない。しごく当然な事だけれどもね・・。
一瞬このまま帰ろうかという負け犬根性さえ頭をかすめますが、必死の片言英語にてウエイトレスさんにメニューにあったビュッフェの内容と取り方を教えてもらい、やっとこそのビュッフェを注文出来ました。が・・今どき観光地で日本語メニュー無いのってどうなの?(怒) 、って理不尽に怒ってみたり。

で・・その料理の内容はというと・・。さしたるモノではありませんでした。くそう・・。


03/01/03曇りランス大聖堂 (ランス)
画像 正直今回のツアー参加のメインは「シャンパーニュへ行く」だったので、まあランスの大聖堂はおまけみたいな感じに思っていたわけです。しかしここは予想以上に素晴らしかった!

まず外観。
これを人間が手で組み上げた建造物だと思うと、かなりショックを受けること請け合いです。
建物はデカくてカッコ良い。彫刻の一つ一つが艶やかしい。しかもそんな彫刻が大量に。
いや・・ホント凄いっすコレ。

そして屋内。
人生始まって以来ここまで美しいものを見たのは数えるくらいじゃないか?と思えるほどに凄いかっちょいい!
薄曇りの天気だったのですが、それもあいまって大聖堂の中はかなり薄ぐらい。でもね、その分ステンドグラスから射し込む光はこの世の物とは思えないほど美しく、まさに神々しいのです。これにはついつい時が経つのを忘れて見入ってしまいました。

いやー、これを見られただけでもフランスまで来たかいがあったなー・・って思えるくらい感動。これはパリに行ったら是非行ってみてほしいです。


この日の夕食は、ツアーで疲れ果てたためスーパーで買い物してホテルの自室で軽く食べました。
その時に飲んだワインはコレです。




 3日目


03/01/04ルーブル美術館
画像
↑ニケ像を後ろから。  
この日、ついに長年の夢であったルーブル美術館訪問の時を迎えました。いや実は私は芸術(油絵)を専門に勉強して来まして、結局は会社員に落ち着きましたが、子供の頃からずっと自分は絵描きになると信じて生きてきたわけなんですね。

そんな私にとってルーブルはまさに聖地・・。当然の朝イチ到着です!あそこまで広い庭、広いエントランスを何故だか迷わず突き進み、早速片っ端から鑑賞して行きます。そこにあるのはニケ像、ヴェロネーゼ、レオナルド、ラファエロ、ドラクロワ、ゴヤ・・。おお神々の筆跡よ!(注:浮かれモード)
もはや時の経つのも忘れて恍惚の時間を過ごしてしまいました。しかし、そんな幸せも突如終焉を迎えます。なんと!「このためにフランスまで来た」と言っても決して過言ではない、フェルメール!そのフェルメールのあるエリアがまさかの本日お休み!なんと言う事!
しかし今日の私はいつもの私ではありません。ここでも神降臨で係員に「英語で」問い合わせます。「このエリアは見ることが出来ないのか!ふざけるな!」と!
結果、明日は見ることが出来る(※1)という情報をゲットし一安心。それならばルーブルは明日再訪問としまして、午後は急遽オルセーへ行くことにしました。
しかし・・外に出てみるとなんと豪雪中!前日の天気予報で晴れ予報を見ていたのに!(←つまり傘は持ってない) なんとか辿り着いたオルセーは何故か異常な込み具合でどうにも入りようが無い様子。
で、結局本日残りはプランタンとギャラリールファイエット、それからクールサンテミリオンへ行ってお土産の買い物をすることにあいなりました。

※1 曜日によって休みのエリアが決まっているらしいです。目的の絵がある場合には、こういう休みエリアの確認をしてから行く必要があったわけですね・・。


03/01/04曇りル・ムーリスでディナー
画像 今晩はパリの一つ星レストラン、ル・ムーリスで豪華にディナー!ということで「JCBスペシャルディナー」っていう、カード会社提携のメニューとか全部決まっているヤツを日本で予約してGO!(←言葉通じないしね・・)
ところがですね、なぜか現地でサービスが「メニューを選べ」って。おいおい・・こちとらフランス語はもちろん英語もしゃべれませんよ。根性で「JCBスペシャルディナーなんですけど、選択してもいいの?」って聞いた(つもりだ)けどオフコース全く通じずに、渋々選択せざるをえない状況に。本当にいいのかなー?って疑問満載だったのですが、その後ソムリエがワインを選びに来たところで「やっぱりおかしいぞ?」と。だってね、「ボルドー・・、ポイヤック・・」と会話を進めていくと、薦められたのがなんと「ランシュバージュ」!そんなの138ユーロのセットメニューで出てくるわけ無い!さすがにこれには焦ってもう一回根性入れて「JCBのスペシャルディナーで!」って。心で。
ここで店側もやっとわかってくれたようで、1993年のポムロールが出てきました。これでやっと一安心ですよ・・。

で、料理は以下のコース。
・付け出し (小さなパンにフォアグラ、小さなパンにサーモン、の2個)
・前菜 (妻が野菜のサラダ、私が豚のテリーヌ)
・メイン (なんだかジビエみたいなヤツ)
・デザート (妻が、アップルを頼んだはずが洋ナシ。私はチョコケーキ。)
・コーヒー

この中で美味しかったのは付け出し(これはミラクル!)とチョコケーキかな?正直言わせてもらえば、料理はたいしたこと無いです!日本のフレンチの方がずっと美味しい!六本木のブルギニオンとかね、どれだけ素晴らしい料理を出しているか思い知らされました。
しかし、この店の内装は凄いですよ。まさに豪華絢爛、ほぼ王宮ですな。その意味では、「豪華な気分になりたい」っていう要求には十分に応えてもらえました。




 4日目


03/01/05曇りルーブル→オルセー
画像 今日はまずルーブルに行ってフェルメールを見て、それからオルセーへと流れることに。

しかし、それにしてもフェルメールってやつは・・。正直言ってルーブルにある他の重厚な絵の方が(テクニック的には)ずっと上手だと思うのですが、それでもやっぱり、例えば「天文学者」のあの空気を感じさせる表現と柔らかな光の表現は・・。かっちょ良すぎる・・!これを見ただけでもパリまで来たかいがあったなー、って言いきれます。素晴らしい。
それからもレンブラント、アングル・・。リューベンスの部屋に来たあたりで正直お腹いっぱい感ですな。ハッキリ言ってね、絵を見に行って「もううんざり」と思ったのは人生初の体験。こりゃデカすぎますよルーブル。これには全くもって呆れましたね。

それからオルセーへ。ルーブルに比べるとかわいいくらいのサイズでちょっと気持ちが安らぎます(いやまあ、それでも相当デカイんですけど)。置いてある絵もルーブルに比べて非常に明るい!やっぱり印象派は疲れないですね。見ていて楽しいし、素人ながらも作品に対してつべこべと言えるのも印象派くらいなもんですし。楽しく絵を見ることが出来ました。
ところで、ここ(オルセー)のレストランはかなり美味しいです。ワインだって、シャンパンから白、赤はボルドー、ブル、ローヌ、シュッド、と一通りそろえてあったりして・・何考えてんだ?お見事。


03/01/05曇りサンジェルマンデプレ教会
画像 オルセーの閉館後、大急ぎでサンジェルマンデプレへ移動。目的はサンジェルマンデプレ教会でデカルトのお墓参りに行く事と、「ポリドール」っていう安い定食屋へ行く事。すごく寒いですけどもね、滞在期間短いしがんばって回らなければ・・。

早速ですが、サンジェルマンデプレ教会。ガイド本によるとパリで一番歴史のある教会らしいです。しかし、正直言って外見、内装ともにこないだのランス大聖堂やこの後行くノートルダム大聖堂の方がずっとカッコ良かったですね。サイズからしてちょっと小さ目だし。でも、この教会ってとても庶民的で感じが良いです。ちょうど私達が行った時も何かお祈りがあるらしくて町の人達が続々訪れて来てましたし、無料で入れるのもいい感じですし。地元に密着してる雰囲気でキリスト教文化を垣間見た気がしました。

でもま、ここに来たかったわけはそういう観光が目的じゃなくて、あくまでもデカルトのお墓参り。その目的を達成できて私個人的には満足できました。


03/01/05曇りポリドール
画像 この日の夕食は、「ポリドール」っていうけっこう有名な安いフランス料理のお店へ。後から知ったのですが、ヘミングウェイとかも常連だったってくらい歴史のある店らしいです。

寒い寒いパリの夜を歩いてやっと店に辿り着くと・・店構えはまったくの古ぼけた定食屋さんそのもの。前菜、メイン、デザートと頂けて、しかもそれぞれ好きなものを選べるいわゆるプリフィクススタイル。そして、お値段が驚きの18ユーロ!こりゃ安い!(ついでに日本語メニューもあるし)
さて、メニューですが私はインゲンのスープ、腎臓の煮込み、アイスクリーム。妻はほうれん草のサラダ、ビーフシチュー、アイスクリームと行く事に決定。ワインは個人的に好きなフロンサックをチョイスです。まず、インゲンのスープは超美味。でも・・メインは両方ともまずまず程度。なんせしっかりとした味付けで(←つまり濃い)しかも量がゴッツリ。これは上品な味付けの日本人にはマジ厳しいっすよ。たぶんフランスの家庭料理ってこんなのなんでしょうねー、って印象の料理でした。

ところでまわりにはいかにも現地のフランス人って感じの人ばっかりで、しかも超満員。若い女性からそれこそお年寄りまで、みんな楽しそうにガヤガヤと食事してます。内装もあいまってのこの雰囲気は、なんとも言えず好きだなー・・なんて言っていられたのはここまで。帰りに異常な寒気がしていたのですが、これがね・・・。




 5日目

本日の予定。
AMにノートルダム大聖堂を見て、お昼ご飯に2つ星レストラン「ル・サンク」で食べて、PMはシャンゼリデ大通りをショッピングがてら凱旋門まで歩いて、返す刀でポンピドゥー。

03/01/06曇りノートルダム大聖堂
画像 朝起きたときから、つーか昨晩からおかしかったんですよ。関節はギシギシいうし、妙にダルいし。でもって、その原因に気がついたのが、朝ご飯食べ終わって着替え終わって、いざ出かけようというその時でした。
「・・これって風邪じゃないのか?」
私としたことが、ここ数年風邪なんてひいてなかったためか風邪の症状を完璧に忘れていたようで今の今まで全く気がつかなかったのです。しかも本当に久しぶりのためか、この時私は「全然平気。たぶんすぐ直るから出かけよう今すぐ。」というあってはならないミスジャッジさえ下していたのです・・。

で、シテ島に到着して地下鉄の駅から屋外へと出てみると・・こりゃ本気で寒い!つーかほんのり雪が降っている気さえも!この時点でもはや笑い事ではないくらいにフラフラだったわけですが、それでも根性でノートルダム大聖堂に到着します。
なるほどー、こりゃデカイや。しかもスゲーかっこいい・・。記念撮影して・・と・・。一応観光客らしい事はしていますが、この時の私はとにかく早く暖かい屋内に入りたいという気持ちだけ。そそくさと大聖堂へ入場します。

中も、これは凄い・・。巨大な美しいステンドグラス、内装、そして彫刻。全てが信じられないほどのスケールの綺麗さで、これを見た人はみんなキリスト教徒になりたくなること請け合い、と言えるくらいにかっちょいい。

しかしすでにグロッキーの私は椅子に座り込んで、ついにはつらくて動けないくらいになってしまいまして・・ここであえなく観光を断念。ホテルに帰って少し休むことに。(←つまりは寝込んだわけだけど・・)


03/01/06曇りホテルで医者を呼んだり
(当然)写真無し! ホテルに辿り着いたものの、そのあまりのつらさに医者を呼ぶ事に大決定。いや実は以前バリ島に行った時にも医者を呼んでいまして、これで「海外旅行でホテルへ医者呼び出し2レンチャン」という大記録達成です。海外旅行に向いてないのかな・・俺。
それでですね、この医者が日本語がしゃべれなくってねー。本当に参りました。チョチョイと聴診器当てて、症状聞いて、それから「フル!フル!」って言ってるだけ。だからこっちは英語もフランス語も出来ないってのに!(と理不尽に怒る)
で、その医者に必要なクスリ教えてもらって、妻に薬局へ買いに行ってもらって、そのクスリ飲んで、その後寝込むことに。当然、ル・サンクでのランチもポンピドゥーもシャンゼリデ大通りも無し・・。

本当はね、午後ゆっくり休めば少しは体調が戻って夕方にはまた出歩けるかも、なんて思っていたのですが・・甘過ぎの予想だったとしか言いようがないですね・・。その晩は起き上がる事も出来ないくらいの高熱にうなされる事になりました・・。

※ところで日本に帰って来てから知ったのですが、「フルー(flu)」っていうのはインフルエンザの事らしいです。俺はインフルエンザにかかっていながらワイン飲んだり雪の中出歩いてたりしたのか・・。




 6日目・7日目+総括



03/01/07晴れ帰国
画像 翌朝になってもインフルエンザの猛威は私の体を容赦無く襲います。 あそこまで憧れていたパリにもかかわらず、この時ばかりは正直「日本に帰りたい・・」って心底思ってました。そんな状態ですから、「もうすぐ家へ帰れる!」と思うと空港への車中も、空港での待ち時間でさえ苦ではありませんでした。ハッキリ言って歩くのもつらい状態にもかかわらず・・。

そんなこんなで翌日、這うようにして帰国。喜びと苦しみのパリ旅行は幕を閉じました。最後はショボショボになってはしまいましたが、結果としてはそれも含めてとても印象深い旅行となりました。得に、ルーブル。あそこは全くもって凄い場所です。今はまだ「すぐにでももう一度行きたい!」とは思えませんが、必ずもう1度、2度・・と行きたい場所です。

それに、冬のパリのあの空気。刺すような冷たい空気と、ちょっと霧がかった街並み。雪の翌日の風景といったら・・!冬のパリは一度行ったらハマる人も多いのではないでしょうか。もちろん私もその一人です。(この時期は値段も安いですしね)


03/01/08晴れ(東京) 総括みたいなものを少し
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↑ルーブルで寝てる外人のお嬢さん。
ぜいたく・・。
最後に、今回のパリ旅行で感じた事とか、いくつか。主にこれからパリに行く人に向けて。

・まず、ワインが安くない。正直、東京で「やまや」とかで買うのとそれほど変わらないように感じました。あるいは少しは安いのかもしれませんが、日本に持ち込むとき4本目からは税金かかっちゃいますし、何より日本の自宅まで手で運ぶ事を考えたら日本で買ったほうが絶対にいい!え?送ってもらえって?そんな事で送料かけるならなおさらですってば!

・次に、英語がしゃべれない、って事は予想以上に致命傷でした。日本語オンリーな人は必ず日本語ガイドがいるツアーや、料理屋も日本語メニューがある店を探すことをお勧めします。あるいは英語ベラベラ(フランス語ならなお良し)な人と一緒に行きましょう!私は言葉が通じればそれだけでパリ滞在が飛躍的に楽しくなるのに・・って悔しい思いをしました。今からでも英語勉強するぞ!と決心。

・で、芸術について。行く前は、ルーブル、オルセー、ポンピドゥー、ドラクロワ記念館、ピカソ、モロー・・行けるところには全部行ってやるぜ!って思ってましたが(オランジェリーは閉館中)、私みたいに5泊7日くらいじゃ絶対に無理。今回私はルーブルとオルセーだけにしか行けませんでしたけど(風邪ひいたしね)、芸術好きの人は目的を絞って行くことをお勧めします。実際に行った人ならわかると思いますが、ルーブルだけでも本気で満喫しようと思ったら「最低で」3日は必要だと思いますし。あと、写真オッケーな美術館でも、フラッシュたくのは絶対に止めましょうね。外人さんもみんな、平気でバシャバシャとフラッシュ使ってましたけど、あれはいけません!絶対!

・最後に。時差が凄いです(8時間)。今回私は時差にやられて疲れがたまり、結果インフルエンザにかかったと言って過言ではありません。しっかりと覚悟の上、体調万全で行くべきだった・・とちょっと後悔しました。
次回行くときこそは全開バリバリで行くぜ!


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